猫々蹴球

ねこねこしゅーきゅー、と読むと大吉です。デレステブログになりつつありますが、アニメ感想と投稿SS、サッカーもありますヽ( ´▽`)ノ

才条 蓮さんの投稿SS10

機動戦士ガンダムSEED DESTINY SS

『最果てにある祈り』 第4話



「………アスランさん………。」


「…ん?」



少し勇気のいる質問をしようと思った。



ここで話せなかったたら、アスランさんの本当の気持ちが聞けない気がした。



「アスランさんはどうしてラクスさんと別れたんですか……?」






「………………。」






アスランさんは撫でるのを止めた。



そして、暫く考えた。









私はアスランさんを注視する。


そのとき私は初めてアスランさんの顔を間近でみたような気がした。
















アスランさんの悲しそうな顔を見たような気がする。


アスランさんの本当の寂しさのようなものが……


見え隠れしていたように見えた。








気がついたら、アスランさんは抱きしめるのもやめていた。



私も抱きしめるのをやめて、アスランさんの顔をずっと見ていた。















「…………俺のせいだよ………。」














アスランさんは小さい声ながらはっきりと答えた。





「母さんの無念を晴らすと言って、俺は軍で必死になって生きた……。」



アスランさんは『血のバレンタイン』で母を失った話しをした。



母を戦争で失う………。



それは言いようもない怒りと失望感があるのだと思った。













アスランさんは軍でここまで強くなるぐらい必死になって生きた。



父はナチュラル全てを滅ぼすと考えた。










それだけで、母を失った悲しみがどれくらいなものか分かった。









「俺がラクスのところに帰ってきて、抱き合うたびにラクスの顔が硬化しているのが分かった。」




「………………。」




「それは俺が帰ってくるたびに染み付いた血の臭いが強くなったからだ……。」





「…………そ、それは………!」




「ん?」



「い、いえ…………。」









ラクスさんも知っていたんだ………。



アスランさんが漆黒の世界に行こうとしていることを……。



血の臭いが強くなる………。




それはアスランさんが漆黒の世界に行くということと同義だった。








「ラクスが張り付いた笑顔で迎えるようになった。」






……………私と同じだった………。




私もアスランさんが訓練しているときはアスランさんが遠い存在に思えた。



そう思うと、アスランさんと溝ができていた。



アスランさんは軍人なのだと。



本当に凄い人なのだと……。














そう思うたびに自分が苦しくなっていった。















「そしたら……表面だけの付き合いになって……気がついたら仲たがいしていた。」






「俺はラクスにいつまでも優しい笑顔で迎えて欲しかった………。」






「けど、それがなくなった時……関係を自分から壊していた。」






「俺は馬鹿だから………そういう軍人としてしか生きれなかった……。」




「キラのように優しくはなれない。」





「ラクスはそれに愛想を尽かしたんだ……。」










………………。





本物のラクスさんに会ったことはある。



いつも絶え間ない笑顔と優しさがある包容力のある方だった。



揺るがない優しさと笑顔があった。





そのラクスさんが張り付いた笑顔でアスランさんを迎える程……





当時のアスランさんは酷いものだったのだろう。





多分、私だったらあからさまに怯えるだけだろう。




現実にアスランさんに対して怯えていたのだから………。












「俺の張り付いた血の臭いを永遠に消えないのさ………。」








………これがアスランさんの闇……。




誰も立ち入ることのできない闇……。




「カガリさんは……?」



「カガリは………知らないさ。俺はラクスにそのことを諭されてからは変わったからな。」



「けど…………。」





言ってしまっていいのだろうか………?





アスランさんは変わっていないということを……。




確かに以前程極端ではないのかもしれないが……



それでも私にとっては異常だった。





「アスランさんは怖いです。今も……。」



「………え?」




「私が本当に怖かったのは……アスランさんでした……。」




「俺が………?」






アスランさんは私を見つめた。


私もアスランさんを見つめていた。




しかし、私はそれをやめてまたアスランさんを抱きしめた。







「寝ましょう………。」








そういって、私たちはお互い抱かれながら寝た……。



静かに……




互いに何かに安堵しながら。





                    (続く)

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