猫々蹴球

ねこねこしゅーきゅー、と読むと大吉です。デレステブログになりつつありますが、アニメ感想と投稿SS、サッカーもありますヽ( ´▽`)ノ

才条 蓮さんの投稿SS22

機動戦士ガンダムSEED DESTINY SS

『海の記憶』 第1話



機体のコクピットを壊したとき自分はとんでもないことをやっているのではないかと思った。


















敵が単機でやってきた。

いつも戦っている因縁の相手。

そして決着をつけるために俺たちはその機体……ガイアというガンダムと戦った。

戦いは優勢。

いつもは三機で来たのに、今日は一機だからそれも当然か。

懐に入り込んで、コクピットを狙って、斬った……。












そこから出てきたのは目も塞ぎたくなるような光景だった………。

















自分を守ると決めた……少なくともあの時は必死に真剣にそう思った大切な少女。


死ぬことが嫌いで、戦争も嫌っている…感受性の高い優しい子


海が大好きな子。
















…………そんな俺にとってかけがえのない大切な子がコクピットで重傷を負っている光景がそこに映った。















自分は何をやっているんだ?

自分が守ると誓った少女を傷つけてどうしようというんだ?




海な大好きなこの少女を………




死ぬことが忌み嫌うこの少女を……





俺はこの子に何をやっているんだ?









これらの問いに答えてくれる人なんて誰もいない。

ただ、守ると決めた少女を自分が傷つけた。

だから、必死に守ろうとした。

自分が傷つけたのだから。

























戦争と死ぬことがなによりも忌み嫌う少女。

海が好きな少女。

俺が守ると決めた少女。





………ステラ…………。























俺はなりふり構わず、ステラを助けようと思った。

ガイアに乗っていると知らずに彼女を傷つけた。

自分が救わなければ誰も助けてくれない。

俺は自分の艦に戻って、彼女を助けるよう頼み込んだ。










しかし、俺たちが待っていたのは過酷で何も報われないように思えた日々だった……。




























「…………ステラ。」


ここは病室。

ここに一人ずっと横たわっている少女がいる。

誰よりも死ぬことを忌み嫌う少女。

海が大好きな少女。






しかし、それ以外に知りたくないことまで知ることになる。

連合の兵士。

そしてエクステンデッド。

何か一定期間内に薬を投与しないと身体機能を維持できない。

記憶も忘れ去られて、戦いを強要させる。

実際、会ったときは俺のことも覚えてなかった。

薬が切れて発狂することもたびたびあるという。









これらを踏まえて、彼女は拘束具をつけさせられている。

暴走しても抑えれるように……。





……死ぬことが嫌いな少女なだけなのに。

海が大好きな少女なだけなのに。

彼女はずっとここで拘束されっぱなしである。


















………抱きしめて守ってやることさえできない。

………ただ、見守ってやることしかできない自分がいた。























「……………シン?」

「ん?ああ、大丈夫だよ。ここにいるよ。」


「……ん。」

ステラは俺がいると分かるとすごく安心する。

本当に俺を心の拠り所にしてくれているのだと分かると嬉しくなる。

こんな俺でもいるだけで彼女を安心させているのだから、それだけの価値はあるのかな、と思う。

「大丈夫だよ…。」

俺はステラの髪を優しく撫でる。

ステラはそれを気持ちよさそうに甘受している。

単純に髪を撫でているだけなのにこの子はそれだけで喜んでくれる。

「……ん。…うん………うん。」

ステラは安心しきって、目を閉じる。

そして再び睡眠に入る。



















……これ以上の行為はできない。

以前のように抱きしめることが出来なければ、ステラを自由にすることもできない。

すべてのことにもどかしさを感じていた。


























俺はどうすればいいんだ?




それとも、これが俺が守りたかったものだったのか?


ステラと一緒にいる…。


けど、これは俺の望んだものじゃない……。





















もっと俺は暖かく…優しい世界でステラと一緒にいたい………。



                         (続く)

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