猫々蹴球

ねこねこしゅーきゅー、と読むと大吉です。デレステブログになりつつありますが、アニメ感想と投稿SS、サッカーもありますヽ( ´▽`)ノ

才条 蓮さんの投稿SS56

機動戦士ガンダムSEED DESTINY SS

『最果てにある祈り』 最終話



光の中で映し出される精悍な顔つきであるが憂いある表情。



鮮やかなで清廉な黒髪。



ずっと憧れていた人だった。




そんなアスランさん…………。




………でも、アスランさんはやはり人間であるその内実はひょっとしたら私より脆く……そして儚いもののようにも思えた。



母の連合の襲撃による死。



分かり合えず、狂気の人として殺されていった父。



父と母の不仲。



分かり合えないまま置いていかれたアスランさんの気持ち………。
















………………それは言葉にするだけでも壮絶な内容であった。


その人生は家族という領域においては正に不幸な青年でしかいえない。



…実際、父の名前を出されただけで彼は相当な苦悩をしていた。



『パトリック・ザラの取った道こそが唯一正しき道』



そう言われるだけで彼の苦しみはかなりのものであった。



それだけ、アスランさんにとって『家族』というものは禁句とされていることなのだと思った。



実際に、AA内で家族という話しをアスランさんの前でやっているのを見たことも無い。



そして、アスランさん自身も全くそんな話はしない。



その前提として、全くアスランさんと仲がよくなかったと言うことも取り上げられるかもしれない。



………それにしても全くと言っていいほど、彼は家族の話はしない。




















…………アスランさんにとって家族ほど苦しいものはないのだと思った。

























………アスランさんは私を見ていた。



静かに……そして悲しそうな表情で。
































ずっと思ってた。




この憂い満ちている表情をどうにかしたいって…………。



























………そんな切なる想いで私たちの沈黙は続いた………。





















………少し動くたびにゆれる空気の振動。



…………得も知れない無機質な機械仕掛けの音。



自分の胸の高鳴り。



沈黙だからこそ響き渡る音の世界がそこにあった。




























「…………道化だよ。」





「え………?」




アスランさんは諦めたように静かに口を開いた。


その表情はどこかで聞いてもらいたい願望のように見えたのは私の気のせいなのだろうか。


念ずるような祈りの声がそこにあったような気がした。






「父さんと母さんは……いや俺たちは家族ごっとという道化を演じていただけだったんだよ……。」



「………家族ごっこ………?」



「結局………それだけの関係でしかなかったんだよ。俺たちは………。


俺は学生時代はずっとキラの家族と一緒に過ごしていた。


母さんは農業研究でユニウスセブンにこもりっきり……。


父さんは政治の業務だった………。




……ずっとな………。」












バラバラの家族。



それは言葉ではそれだけだが………その関係は10年ぐらいもの続いたのだろう。



その10年の重みがなんとなく伝わるセリフだった。




………いや、本当は分かっていないのかもしれない。



私はその重みを。



アスランさんの欠落した10年を。



家族という当たり前の営みが欠落した10年は………。












「母さんが殺されるまでそうだった………。」



「……………。」




「俺が軍人へと動かしたのは怒りでも悲しみだけじゃなかった。」



「………え?それは…………。」





























アスランさんは私のベットの方に座ってきた。



光の屈折具合の関係か。



アスランさんの表情がどこか影を差しているように見えた。


それがアスランさんの憂いに満ちた表情を際立たせた。



アスランの暗い閉ざした過去のようなものが見え隠れしている。








…………私が救いたかったのはこの表情なのだと……そう思わせる表情を私の前でしてくれていた。






















………………ドキドキするといか言う問題ではない。




アスランさんの重い言葉と憂いに満ちた表情が緊迫感を与えていた。



蒸気する顔。



ゆでだこみたいに赤くゆだっているんじゃないかと心配になるくらい頭はくらくらしている。



鳴り響く命の胎動。



それが私の胸を揺さぶる。



そして、高ぶっていく胸の奥底。



……何かが心の中で熱くなっているような気がした。
























「俺にあったのは後悔だった。どうしてもっと話しをしなかったんだろう……。もっと仲良くできたはずなのにっていう……。」



「…………アスランさん。」




「………俺は……母さんに対する罪滅ぼしをしたかったんだ。」



「罪滅ぼし?」




「母さんを殺した奴らを倒す。それが何もしてやれなかった母さんに対する罪滅ぼしなのだと。」






「…………。」



「………そして、父さんも止めたかった………本当は」




「………けど……。」



「…………ああ。」



アスランさんは静かに頷いた。


母は分かり合える前に死んでしまった。



……しかし、一緒に生きてた父パトリックとも分かりあえる前に味方の裏切りにあって死んだ。





……アスランは分かり合いたかった。



両親とわかりあいたいなんて誰だって思うこと。



アスランさんは結局、そんな後悔をいまでも引きずっているのだろうと思った。








「生き残った俺にあったのは後悔だけだった。



もう………母さんは俺に何も言ってくれない。



もう………父さんも何もいってくれない。




俺を許してくれることも家族として接することもできない。



残ったのは家族ごっこ演じて過ごしていた空虚な思い出とそれを後悔するだけの自分だけさ………。」







「……アスランさん…………!!」














私は抱きしめた。



アスランさんを…………。



大きな身体……そして温かい感触。



そして、声を押し殺して泣いているアスランさんが胸の中にいた………。


























「俺が愛してくれって言ったら母さんは愛してくれていたのか?



父さんに俺を見てくれって言ったら愛してくれていたのか…?




俺がもっと素直に願っていれば………こんなことにならなかったのか………!?」





アスランさんは言う。




全ては自分が悪かったのだと………。




世間では言う。



夫婦の不仲は子ども自身は自分のせいだと思うものだと。



……アスランさんはその典型だと思った。



全てを自分のせいにして……自分で自分をずっと後悔させていたのだと思う。


























何もかも自分のせいにして………そしてアスランさんはずっと苦しむのだ。


























…………どうしてこの人はここまで苦しまなければならないのだろうか。



この人はどうしてここまで凄惨な世界で生きていかなければならないのだろうか。



この人はどうしていままで後悔し続けないといけないのだろうか。




















私は……どうしてここまで……この人を癒してあげたいと思ったのだろうか。





























どうしてここまで私はこの人を…………愛してしまったのだろうか?
























激情に駆られて、私たちは唇を合わせた。



涙の味。



口を噛み切って話しをしていたのかアスランさんの唇から血の味もしたような気がした。



そして柔らかい感触。



あたたかい感触があった………。











………そして私は強く抱きしめる。



アスランさんが寂しがらないように。



どこにも行ってしまわないように。



………アスランさんは静かに私の胸の中で泣いていた………。




子どものように………。




















…………1度……帰りましょう?




プラントにか………?





…………はい。





今でも……母や父に向き合うのは怖い………。




それでも一緒に…………。





…………そうだな。取り戻そうと……願うのもいいかもしれない。




………………。





……メイリン。




はい。






………ありがとう。





                 



















暗闇の中で静かに届いた最果ての祈り。



それは私の祈りだったのか……。



それともアスランさんだったのか………。



しかし………私たちの本当に求めていたものだったのかもしれない。



心の奥底に潜んでいた祈りのようなものが。





                   (終わり)




あとがき



……まずは深い陳謝。



いままで書いていなくてすいません………。



理由はいろいろあったのですが………。



とりあえず、内容が内容だけに種運命の放送が終わるまで書くのを避けた方が良いと思いまして。



話しにずれが起こるのが生じたら困るので。



………その後も書かなかったのはなかなか話しが作れなかったからです。



いや、本当に難しい話しでした。



アスランメイリンって中々……いえかなり難しいものですね。






………結局、アスランという人間を描ききった作品になって、恋愛要素が乏しくなってしまいましたね。



アスランがキラと学生時代すごしていたのは事実です。



これは公式見解らしいです。



……つまり、本当にアスランの家族はバラバラで過ごしていたらしいです。






もともとはAIRさんの要望で書いたものだったような………。



本当にスイマセンでした………。





後、連絡です。




突然なんですけど、今回をもちまして種デスのSSを終わりにしたいと思います(ど~~ん)。



………っていっても、また書くようなきがしないでもないのですが。


とりあえずということで。




しかし、放浪者の私がここまで種デスのSSを書くことになるとは思いませんでしたね。


よく自分でもここまで書いたなあ……と思う次第です。


真面目にそう思います。



また、正式に要望とかあったら連絡してください。



とりあえず、書くよう努力はいたしますので。



その辺はコメント次第でいくらでも書こうと思っておりますので、気楽にどうぞ~~。





え~と、読んでくれた方。



本当にありがとうございます。



編集してくださったAIRさんも感謝のきわみです。



また、どんな作品でもコメントしてやってください。



いつでもコメント返しいたしますので。



それでは新しい作品で会いましょう。



あるいは種デスで。

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