猫々蹴球

ねこねこしゅーきゅー、と読むと大吉です。デレステブログになりつつありますが、アニメ感想と投稿SS、サッカーもありますヽ( ´▽`)ノ

蓮の花さんの投稿SS17

 C.E(コズミック・イラ)73年。
 コーディネーターのテロリストによって引き起こされたユニウス・セブンの破片落下事件――後に『ブレイク・ザ・ワールド事件』と呼ばれる世界規模の人災を境に、地球とプラント……ナチュラルとコーディネーターとの間に、再び憎悪と猜疑の種が芽生えた。
 ナチュラルによる大掛かりなコーディネーター排斥運動。
 各地で起こるコーディネーター組織による破壊行為。
 世界は混乱への一途を辿っていた。


『機動戦士ガンダムSEED DESTINY―――“Phantom pain”』

《Phase:01 ~幻肢痛という名の異端者達~》



 吹雪という白いヴェールに覆われ、視界は最悪だった。
 白い闇の中に佇むのは人間だろうか?
 いや、全身が鋼鉄と精密機械で構成され、更に18メートルもの巨体を有する人間などいない。
 それは『モビルスーツ』と呼ばれる兵器であった。
 地球連合軍の量産型MS(モビルスーツ)。GAT-01、“ストライクダガー”というのがその機体の呼称である。
「何でこんな事に……」
 短剣の名を有するMSの胸部にあるコックピット内で焦燥と共に呟いたのは、18歳になるフェン・イーフウ少尉。
 彼女が所属する地球連合軍第75機械化歩兵隊第23邀撃隊は、敵部隊の足止めを命じられて戦場に赴いた。足止めの後、別部隊が急襲して敵を撃破するのが主な作戦である。
 ところが、隊員の1人がミスを犯し、敵に発見されてしまう。
 その敵――ザフト軍の新型MS『ザクウォーリア』と地上戦用MS『バクゥ』の連携攻撃に翻弄され、第23邀撃隊は彼女を残して全滅した。
 フェンは吹雪に紛れて離脱したものの、劣悪な視界では迂闊に身動きが取れず、このままでは敵に補足されてしまう。
 フェンの操縦を受け、ダガーが慎重に進んでいく。
 気密性のあるコックピットは氷点下の外気を完全に遮断してはいるものの、彼女は背筋に冷たい汗を感じた。
「こんなはずじゃなかったのに……」
 その言い方は途方に暮れたというより、愚痴に近かった。
 隊長を初めとする仲間達の死と、極限状況に放り出されてしまった事が彼女の神経を磨耗させる。
「いつになったら援軍は……!」
 咄嗟に歩行を止め、ダガーに低い姿勢を取らせ、左腕に装備した盾を構えた。
 何かがモニターの中を横切ったように見えた。
 幾重もの電子的な妨害でレーダーがほとんど沈黙しており、物理的な視界は自然の猛威で塞がれている。最新技術の塊であるMSで、文字通り手探りで相手を探さなくてはならない滑稽さが、この時代の戦場ではしばしば見受けられた。
 やがてコンソールのモニターにその姿が捕えられた。ザクウォーリアに間違いない。
 緑色の表面装甲に単眼のカメラアイが特徴的な頭部。どこぞの神話に登場する巨人そっくりだ。その緑の巨人が、頭部に赤く灯るカメラアイの光を左右に動かしながら、しきりに周囲を窺っている。
(こっちに気付いてない?)
 そう考えるのと同時に、既に彼女は操縦桿を握る手に力を込めていた。
 ダガーが右手のビームライフルを構える。ザクがこちらに気付き、同じくビームライフルの銃口を向けるが、遅かった。
 2つの銃口の内、ダガーのライフルから光の矢が発射され、緑の巨人に突き刺さった。
 小さな爆発音と共にザクが雪の地面に倒れて沈黙する。
 フェンが身動き1つしなかった事が、相手に発見を遅らせる要因となったわけだが、勝利の感慨になど浸っていられない。今ので他の敵も気付いたはずだ。
「すぐ移動しないと……まだ死ねないっていうのに!」
 だが、彼女の希望は早々と却下される。ザクは単独行動はしていなかった。すぐにもう1つの機影がモニターに現れる。
 四足歩行の獣型MSバクゥ。 
 飼い主を殺された猟犬の如く、猛然とフェンのダガーへ向かってくる。
 相手が、地上戦用に開発された機動戦闘型ではダガーが不利だ。
 すぐにその場を離脱しようといたが、ダガーの重さに耐えかねた雪が形を崩し、動きが一瞬止まってしまう。
「く……!」
 バランサーが強制的に働いて四肢が制御され、転倒を防いだものの、そのせいでライフルの照準が間に合わない。
 頭部のバルカン砲が唸りを上げ、迫る獣に殺意の銃撃を浴びせるが、巨体に釣り合わない俊敏性で回避される。
 バクゥが背負っているレールキャノンから音速の砲弾が撃ち出され、ライフルごとダガーの右腕が吹き飛ばされた。
 コックピットを揺さ振る激しい振動と耳障りなダメージ警報。
 直撃を免れたのは、こちらのバルカンが相手の射軸をずらしていたためだ。
 右腕を繋いでいたジョイント部分がから、血のようなオイルが滴る。
「まずい……」
 飛び道具を失い、フェンは絶望的状況に目の前が暗くなった。しかし、バクゥはすぐに仕掛けてこない。
 ダガーの銃弾も全て外れたわけではなく、バクゥのレールキャノンに損傷を与えて使用不可能な状態にしたのだ。
 だが、それを知らないフェンは、ビームサーベルを生やして接近してくるバクゥが、自分を嬲り殺しにするつもりなのだと思い込んで腹を立てる。
 口元から左右にサーベルを生やしたバクゥは、まさしく剣を銜えた獣を彷彿とさせた。その姿は雄々しくもあり、獣が持つには似合わない武器に、違和感を覚える者も多い。
 フェンは残った左腕の盾を捨てて背中のサーベル発生装置に持ちかえる。こちらは正真正銘、剣を構えた人間の姿そのものだ。
 バルカンで迎撃するダガー。
 バクゥは細かく軌道を変え、的を絞らせない。やがてコンソールモニターに表示された残弾数がゼロになった。
 獣の体を舐めそこなった銃弾は、その背後に横たわっていた緑の巨人に命中する。パイロットは気絶しているのか、既に死亡したのか、反応は無い。ただ弾の命中箇所が悪かったのか、小さな爆発と風を起こし、雪を粉状に撒き散らす。
 風向きの関係上、巻き上がった白い雪がバクゥを覆い、薄紫色のボディが隠される。
「……今だ!」
 バーニア最大出力。
 ダガーは投擲された短剣のように突き進む。
 雪のヴェールを剥ぎ取ったバクゥが見たのは、何もない雪景色。パイロットは一瞬戸惑ったが、すぐに頭部を上に向ける。
 放物線を描いて飛び上がったダガーが、まさにサーベルを構えて飛び込んでくるところだった。
 金属同士が擦れ合う不快な音。大きな鉄の塊が地面に落ちる衝撃。再び舞い上がる雪の妖精達。
「や……った?」 
 仰向けになったコックピットで、フェンは機体のダメージをチェックする。
 ダガーの右脚。足首から下が切断されている。
 バクゥの方は頭部から左前足にかけての部分を焼き切られて戦闘不能だった。
 雪の妖精達が見守る一騎打ちは、彼女が制したようだ。
 ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間、モニターにいくつもの機影が映る。シルエットから考えてザクとバクゥに間違いない。ライフルと右腕と右脚の無いこのダガーでは、もはやフェンには死か捕虜かの選択肢しか残されていない。
(ここまでなの……?)
 隊長達の敵討ちも2機を仕留めるまでが限界だった。悔しさよりも情けなさが込み上げる。
「メイ、ごめん……」
 病院のベッドで自分を待っている妹の名を口にし、フェンは歯噛みした。 
 こちらが戦闘不能と分かったのか、ザフト部隊はゆっくりと近付きながら降伏を呼びかける。否、呼びかけようとした時であった。
 無数に飛来した光の矢が、3機のザクと2機のバクゥを消し飛ばす。
「な……!?」
 突然の事態に、フェンは自分が助かったという認識が出来ずにいた。
 識別装置が友軍機の到着を告げる。
 たった今、ビームが飛んできた方向にメインカメラを向けると、そこには見た事の無いMSが銃を構えていた。
「何、あれ……」
 そのMSは、中世の騎士の甲冑を身に纏ったような姿をしており、さらに両肩に大砲を、両手に大型ライフルを抱えていた。
『へへ! 今日は獲物が多いな!』 
 スピーカーから、場にそぐわない陽気な男の声が響く。
 緑を基調としたそのMSを、コンピュータがデータベースから該当機体を割り出した。
 型式番号はGAT-X103AP。“ヴェルデバスター”というのがその機体の名称だ。
『余所見してるんじゃないよ!』
 続いて聞こえた若い女の声と共に、ザクとバクゥが1機ずつ火を噴いた。
 ヴェルデバスターの位置と反対方向。いつの間に接近していたのか、もう1機のMSが現れた。
 データベースに該当機体有り。型式番号はGAT-X1022、機体名称は“ブルデュエル”というらしい。
 ヴェルデバスターほどではないが、青を基調とした鎧のような装甲で身を包み、右肩に装着した盾の内側からは、威嚇的なレールガンの銃口が見え隠れしている。
 緑と青のMSの出現により、この戦場におけるザフト軍と連合軍の優劣は、一瞬でひっくり返った。
 ヴェルデバスターの精密射撃でザクが沈む。巻き添えになる事を回避したバクゥがブルデュエルのビームガンに脚を撃ち抜かれて無様に転がった。
 背後から襲い掛かってきたザクのビームアックスを、ブルデュエルは恐るべき反応速度で回避して懐に飛び込み、コックピットハッチに銃口を押し当てて引き金を引く。
 味方が犠牲になって作り出したブルデュエルの一瞬の隙を撃とうとしたバクゥが、ヴェルデバスターの左肩のランチャーに狙撃される。
 3機のバクゥがフォーメーションを組み、ヴェルデバスターに攻撃をかけようと疾走したところへ、ブルデュエルが肩のラックから何かを取り出し、投げつける。それはナイフのような形状をした武器で、複数を一斉に投射した。
 1機のバクゥは2本を胴体中央に受け、もう1機の脚部に1本刺さる。標的に命中したナイフは爆発し、2匹の獣は体から炎を噴いて横転。雪の粉と融けた水を撒き散らしながら転がり、沈黙する。
 残った1機は、ヴェルデバスターの右肩に背負った大砲が放った散弾によって蜂の巣にされた。
 ザフトの部隊は狼狽していた。
 敵の新手は2機だけだ。ところが、この2機が圧倒的に強過ぎる。
 近距離だろうと遠距離だろうと正確で多彩な射撃が可能なヴェルデバスターと、接近戦において変則的な動きで敵を封じるブルデュエル。
 頼もしい援軍に、しかしフェンは喜んだりはしなかった。
 2機の友軍の戦い方は確かに凄まじい。だが、それ以上に攻撃に容赦が無さ過ぎる。
 脚を失って行動不能のバクゥにサーベルを突き立てるそのやり方は、フェンに恐怖と嫌悪感を植えつけた。
 もう1つの理由として、彼らはフェンを助けに来たわけではない、という事だ。
『ミューディー、ぼぉっとしてるとまとめて撃っちまうぜ?』
『そっちこそ、ぼやぼやしてると獲物をあたし1人でいただくよ?』
 通信機から聞こえる声には緊張感など欠片も無い。むしろ目の前の戦いを、まるでゲームか何かのように楽しんでいる。
(もしかして……)
 フェン達が足止めをしている間に別働隊が敵を仕留めるという今回の作戦。まさか彼らがその“別働隊”だとでも言うのか。
 だとすれば――。
「こんな……」
 こんなイカれた連中のために自分や隊長達は……。
 胸の内の衝動をフェンが自覚した時だった。
 すぐ目の前で爆発が起こる。ダガーの足元にバクゥの頭部が転がってきた。
 目と鼻の先にブルデュエルの背中があり、その向こうにはライフルを撃ち尽くし、ビームアックスを構えて突進してくるザク。完全な自暴自棄だ。
 ひらり、とマントを翻す闘牛士のような優美さでザクの突進を回避したブルデュエル。
「あ……!」
 ザクは突進の勢いを止められず、そのまま動けないダガーへ向かっていく。
 座席射出レバーに手を掛けようとするが、間に合わない。
(駄目だ……!)
 観念して目を閉じるフェン。直後に激しい金属音。
 だが、フェンのダガーには何も起こっていない。
 ザクはダガーにぶつかる寸前、横合いから振るわれたビームサーベルによって両断され、その動きを止めたのだった。
 識別装置が3機目の友軍機のデータを呼び出す。
 モニターに映るその機体を、フェンは呆然と見上げた。
「黒い……モビルスーツ?」
 型式番号GAT-X105E“ストライクノワール”。
 手には鉈のような形状のサーベルを持ち、背部には巨大な燕の羽のようなユニットを装備している。
 ――地獄の底から現れた、漆黒の天使。
 フェンは自分の現状も忘れ、その姿に魅了されながらも、同時に畏れを感じた。
『スウェン、遅いよ』
『……おまえ達も先行し過ぎだ』
 ブルデュエルの女パイロットからの通信に答えたのは、およそ感情というものが欠落したとしか思えない、静かで冷淡な声。
 更にもう1機、ストライクダガーに似た形状の黒いMSがやってきた。
『中尉、任務は完了です。この付近一帯の敵勢力は排除されました』
 フェンの乗るダガーからの派生機の1つで、型式番号GAT-01A2R、“105スローターダガー”。
 パイロットの声はブルデュエルと同じく若い女のものだが、こちらは生真面目そうな印象を受ける。
『チェ、つまんねぇの。もう終わりかよ』
『手応えの無い連中だったね。囮の連中はこんなのに手を焼いてたわけ?』
 武器を収め、帰投しようとするMS達。
「……待ちなさいよ」
 呪詛にも似たフェンの声に、ノワールの頭部がこちらを向いた。
『あ、いたんだ。アンタ、運が良かったね』
 ブルデュエルのパイロットの、冗談とも本気とも付かない物言いも、フェンの感情をマイナスに刺激した。
「ふざけないで! 何なのよあんた達は!」
『は?』
「あんた達が遅れたせいで隊長達は死んだのよ? あたしだって死にかけた! なのにあんた達は何?」
 遅れた事に対する謝罪も、大丈夫かのひと言も無いのかと、フェンは彼らを糾弾する。
『ずいぶんな言い方だなぁ』
 ヴェルデバスターのパイロットが軽い口調で言う。
『俺達が来なかったら、アンタも今頃は隊長とやらと同じようになってたんだぜ?』
『そうだよ。助けてやったのにその言い草は何?』
 ブルデュエルのパイロットも同調する。
 確かに彼らの言う通りではある。過程はどうあれ、フェンは結果的にこの3機に助けられた形になる。だが、だからと言って彼女は自分の言っている事を撤回するつもりはなかった。
「助けてやったですって? あたしの事なんか眼中に無かったくせによく言うわね!」
『あら、バレてる』
『こりゃあ、こいつのダガーがいつまで持つか賭けてたのもバレてるか?』
 あっさりと、そしてあまりにも淡白な反応に、フェンは全身の血液が沸騰するような感覚を味わった。更に激しく糾弾しようと口を開きかけると、冷静な制止が割り込む。
『2人ともそこまでにしておけ』
 ノワールのパイロットの、静かだがはっきりとした言葉に、2人の男女は口を閉ざしたようだった。
『ストライクダガーのパイロット。所属と氏名、及び階級を明らかにせよ』
 スローターダガーからの通信に散々沈黙した後、フェンはどす黒い感情を絞り出すような口調で答える。
「……地球連合軍第75機械化歩兵隊第23邀撃隊のフェン・イーフウ。階級は少尉」    
『了解しました。イーフウ少尉、手短にお話しします』
 ノワールが鉈のようなサーベルを背部のユニットに格納する。それを見ながら、フェンは黒いダガーのパイロットからの話を聞いている
『見たところ、少尉の機体は大破しています。戦闘どころか移動もままならないでしょう』
 彼らの任務は敵部隊の殲滅及び、味方の援護である。名目上ではあるが、味方の救出も含まれてはいた。
『……少尉の選択肢は2つ。一時的に我々に身柄を預けるか。それともここでこのまま救助を待つか』
 フェンの形の良い眉が益々歪んだ。
『少尉にとっては不服かもしれませんが、それ以外にありません。まさかここから、生身で基地まで帰れると思ってはいないでしょう?』
 確かに不服だが、フェンもそこまで無謀ではない。
『加えて、少尉は隊長達が死んだと仰いました。つまり部隊の生き残りは少尉1人です』
 別の部隊に転属するにせよ、辞めるにせよ、まず自身の生存を報告せねばならない。
『つまり、我々と一緒に来るのが1番手っ取り早い手段なのです』
『こんな奴、連れてってもしょうがないんじゃない?』
 ブルデュエルのパイロットが言うが、無視された。
『どうするかはイーフウ少尉、あなたが選択する事です』
 それ以上の言葉は無い。こちらの返答を待っているのだろうが、フェンには1つ確認しておく事があった。
「それはいいけど……あなた達は? あたしは所属と氏名と階級を、きちんと明かしたわよ?」
 フェンの刺々しい言葉から、少しばかり間が置かれる。
『……そうだったな。失礼した』
 そう呟いたのはノワールのパイロットだ。
 別に苦笑が混じっているわけでもなく、やはり淡々とした口調だった。面白みに欠ける奴だと、フェンは憮然とする。
『地球連合軍第81独立機動群所属、スウェン・カル・バヤン。階級は中尉』
 ノワールのパイロットが名乗り、次にブルデュエルのパイロットが続く。
『同じく、ミューディー・ホルクロフト。アンタと同じ少尉よ』
『俺はシャムス・コーザ。中尉だ。これでも上官なんだぞ?』
 冗談混じりにヴェルデバスターのパイロットは言った。
 そして最後に、スローターダガーのパイロットが名乗る。
『ルミラス・カーチェ曹長であります』
 4人の内、ノワールとヴェルデバスターのパイロットはフェンより階級が上のようだが、だからといって非礼を詫びようなどとは思わない。第一、この時のフェンは別の単語に気を取られていてそれどころではなかった。
「第81独立機動群……それって」
 彼女は記憶の棚を探した。
 見つけた棚は、あまり良い印象を持てないものばかりを集めた棚だった。
『“ファントムペイン”って言った方が分かり易いんじゃない?』
 ミューディー・ホルクロフトの言葉と同時に、フェンも棚の中からその単語を見つけ出す。
「……ファントム、ペイン」
 口の中で反芻する。しかし、フェン自身はその部隊に関して詳しく知っているわけではない。ただ、連合軍内部において特別に高い権限を有し、彼女の小隊内でも“得体の知れない私兵集団”という噂がされていたのみである。
 そんなわけの分からない連中のせいで、隊長と仲間達が死んだ。さらにそんな輩が一緒に来いと言っている。
(何なのよ……まったくもう!)
 彼女にとって、腹立たしい要因ばかりがある。しかし、このままここに居るわけにもいかない。それが余計に腹立たしさを掻き立てる要因にもなる。悪循環だ。
『ご返答がいただけないなら、こちらの提案は却下されたとみなし、我々は撤収します』
 ルミラス・カーチェがそう言ってきた。仕方なく、それでもせいぜい勿体つけた口調で、フェンは彼らと同行する旨を伝えたのだった。
 これがフェン・イーフウ少尉の、ファントムペインとの邂逅であった。
 

―――――to be continue

 SS(投稿作品) 管理用2

2 Comments

玉井よしあき  

初感想どやす

初めて感想を書きます。

まずは一言。
蓮の花様は文章が丁寧ですごいです。
私はその場しのぎで思っていることは今のうちにと書く傾向なので私は安定しておりませんから。

本題に入りますと主役フェンとファントムペインつまりサブタイトルどおり幻肢痛という名の異端者達との出会いであります。
フェンが乗るストライクダガー対バクゥ、ファントムペイン対複数のザクウォーリアやバクゥとスターゲイザー本編でも見習って欲しいと思うほどのMS戦やこれからの展開を予感させる引きなどで飽きる私でさえもいつの間にかのめりこんじゃいました。

2007/11/09 (Fri) 21:49 | EDIT | REPLY |   

蓮の花  

ありがとうござやすm(_ _;)m

>玉井さん
 お返事、遅くなりました(汗)
 感想、まことに感謝でございます。
 更にそのようにお褒めいただき恐縮でございますです(^^;)

 個人的に、スタゲ本編の、MSが呆気なくやられる戦闘シーンは個人的には好きだったりします(笑)
 当初は種本編で不遇な扱いをされている量産機達の活躍を書きたいと思って始めたため、まだそのコンセプトが生きていた頃の名残が残っている回でもありますね。

 文章に関しては、掲載されてから読み直してみて『あー、ここ書き直したいなぁ』と思う点が多々あるので、結構安定してないですよ(ーー;)

2007/11/17 (Sat) 18:30 | EDIT | REPLY |   

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