猫々蹴球

ねこねこしゅーきゅー、と読むと大吉です。デレステブログになりつつありますが、アニメ感想と投稿SS、サッカーもありますヽ( ´▽`)ノ

玉井よしあきさんの投稿SS5

機動戦士ガンダムSEED DESTINY SS

二人組(機動戦士ガンダムSEED DESTINYの章・追跡編) 4



身軽にその場を逃げていくグラマルを必死に追いかける二人。
「止まれ!止まったらこっちも追いつけるぞ!」
「あっそ。じゃあ止まるか」
ソロンが冗談で言ったつもりが、本当にその場に立ち止まるグラマル。
「おし!もらった!」
そう言って、掴みかかるクウジ。
だが…………
「ホレホレ!こっちだよ!」
「へ……………?」
声のした方を見ると、建物の屋根の上にグラマルの姿があり……
「んじゃ、俺の掴んでる、この聞き覚えのあるシューという音の正体は………?」
「わっ!し、震天雷!?」
「な、何ぃ!?」
ソロンに言われて気付いたときはすでにとき遅し、震天雷が爆発する。
「だー!?」
「ク、クウジー!?」
そして巻き上がった煙の収まった後には………全身を煤けさせたクウジの姿があった。
「い、生きてる……………」
「そりゃ、火薬を少なめにしてたし」
「……………ちっ」
「ソロン君?今舌打ちしなかったかーい?」
「い、いえ。滅相もございませんよ?」
ソロンの頭を鷲掴みながらそう言うクウジから目をそらし、必死にそれを否定するソロン。
「じゃ、そう言う事で……ではー!」
その間に屋根伝いに走り去っていくグラマル。
「あ、逃げたぞ!」
「くそっ!何て身軽な奴だ!クウジ!お前も屋根から追え!」
「無理!お前の方こそ、屋根から追えよ!」
「俺も無理!……走って追うぞ!」
「ああ!」
こうして地面から追う事にする二人であったが………


「ちっ!見失っちまったか!」
「何て素早い奴だよ!あれじゃ、マトモに追いかけても無理だな」
結局、人通りの多い場所に逃げ込まれ、そのまま見失ってしまう二人であった。
「くそー、んじゃ、あいつをどうやって捕まえるよ?」
「うーん…………」
そして暫く考え込む二人。
「うーむ…とりあえず、宝石さえ取り戻せばいいんじゃねぇ?」
「ま、捕まえろとは言われてないしな」
「なら、とりあえず情報屋に行こうぜ。ウズミウムダイヤで探せば、少なくとも宝石の在り処は見つかるだろうし」
「ま、そうだな。あいつが持ってれば、居場所もわかるだろ」
「おし。んじゃ、行くとするか」
こうしてとりあえず、情報屋へと向う二人であった。

 
~情報屋~

「いらっしゃい。何をお探しで?」
「ああ、ウズミウムダイヤを探してもらいてーんだが」
「この都市にあるのは分かってるんですよ。できればもうちょっと特定できません?」
「んな事言われてもなぁ…」
ソロンとクウジの要求にそう言いつつ、何やら台帳のようなものをペラペラとめくる情報屋だったが……
「お、こいつはいいや。どうやらあんたらの期待に沿えそうだぜ」
「ほー?そいつは一体どういうこったよ?」
「ほれ、その前に出すもんがあるだろ?」
「ち…ほらよ!」
そう言って、手を出す情報屋に銀貨を渡すクウジ。
「へへっ、毎度あり!あんたらがお探しのウズミウムダイヤはこの都市の海賊や盗賊の間では有名な場所にあるぜ」
「ほぅ……それで、その場所名は?」
「紅蓮の迷宮だ。ここから北東の位置にある。そこにはあの最強の戦士キラ・ヤマトすら名前を聞いたら思わず身震いするほど強い戦士ズワという頭領が率いる集団、バビロニアの牙がいると聞いている」

「へえ、そんな集団がいたんだ。世界は広いな」
「ふぅ……あの大洞窟じゃなくてよかった。うし、いろいろな意味で大助かりだぜ」
クウジのいういろいろな意味で大助かりという言葉にソロンは疑問を持ったが、すぐにわかるだろうと判断でこの場は質問しないことにした。
「ありがとうな、おっさん」
「またよろしくな!」
こうして、紅蓮の迷宮へと向う二人であった。

 

~紅蓮の迷宮~
ダンジョンに入るのだが偵察のため、近くの山にモビルスーツを止めた後、簡単に荷物の準備を整えてから入り込む二人だったが……
「ふぅ……何か暑いな」
「何だここは……?すぐ地下で、マグマが流れてるんじゃないだろうな……」
入った途端に、二人を覆うムッとした熱気に軽く額を拭いながら辺りを見回す二人。
そしてソロンは壁に軽く手を触れ……………
「やっぱりだ……壁が熱い」
「そりゃ、厚いに決まってんだろ」
「そうだな…じゃあ、奥に行こうか」
「…お前な。時々、素でスルーするのはやめろや」
そう言いつつ、懐からとある地図のようなものを取り出すクウジ。
「これでいや、この探知機は発する黄色い光が宝の位置をあらわしている。そしてそれにより自然とウズミウムダイヤの在り処が分かるって訳だ」
「随分と説明的なセリフを俺に代わって」
「ふん、余計な時にはツッコミを……って、前にもやった事をやらせんなよ」
「はいはい、んじゃ、こっちは緑色の光で敵の位置を教える地図型の探知機でも使うかな」
こうして地図上に同時に浮かぶ、緑と黄色の点を注意深く眺める二人。
「ふむ…一個だけ、黄色と緑が同時に移動してるのがあるな」
「これは……地上1階。つまりこの階か」
「しかしこれは同じ階でも、随分と遠くなってるみてーだぜ」
そう言って、クウジが指差す点は地上1階の左下の部屋の中心部。
このダンジョンの1階は大きく分けて4つの区画になっており、その4つともがそれぞれ壁に囲まれ、1階から直接行き来できないのである。
その為、現在地から左下の区画に行きたければ、1~4階まであるこのダンジョンを、フルに歩かなければならなくなるのだ。
「ここに行くまでに、大分歩かないとな」
「ま、あの世界ではずっと歩いてたし、それにくらべたら大したことではない。さっさと行こうぜ」
こうしてそのまま歩いていく事にする。
「しっかし、熱気に包まれた場所だよな。冬はここに住むか?」
「うーん……パスだな。ここ、何か変な感じがするし」
ソロンの台詞にクウジは首をかしげる。
「何かにまとわりつかれてるような、奇妙な感じだよ」
「あー…それは憑かれてるじゃねーの?俺は何も感じねーし?」
「帰っていいか?」
「ああ。宝石を取り返したらな」
「ち、鬼め……。一体、何なんだろうなぁ……」
そう言って、しきりに腕を払うようなしぐさをするソロン。
(……こいつ、マジで憑かれてるのか?)
ソロンの様子を見てクウジは疑問に思ったがソロンに直接言うことは控えることにするが……
「……何で、オレとの距離を開けるんだよ?」
「HAHAHA。気にスンナ!南無南無南無……」
「とか言いつつ、クウジ、何か唱えてるし!?」
……と、その時進行方向にある階段に白い人のような姿が現れたかと思うと、そのまま、その階段を降りていき………そのまま消えていった。
「で、出たー!?」
「え!?どこどこ!?」
「あの階段を降りていってた!」
「……これから、俺達が向う場所じゃん。そう言えば、肩が軽くなったような…」
「おいおいおい!マジかよ!?ここ出るのか!?」
「しかしそれはモンスターじゃないのか?それなら俺一人でも倒せるぞ」
「それだったら俺一人でもできるぞ、クウジ。んじゃ、さっさと行こうぜ」
「……お前、立ち直り早すぎ」


だが、それから何度と無く、進行方向にその正体不明の影は現れ…………
「……あいつ何者なんだ?」
「……オレ、一度も見てないんだが」
「それは単にお前の霊感が0だからだYO!くそ!誘ってんのか!?」
「おお!クウジにとうとう春が?!」
「嬉しくないわい!くそっ!追いついたら、たたっ斬ってやる!」
「おいおい、本来の目的を忘れてないか?」
そんな事を話しながら、最後の階段を降りると…………


いきなり辺りが明るくなったかと思うと、今までの中で最も強烈な熱気が二人に襲い掛かる。
「こ、ここは……マグマに囲まれてるな」
「しかも何か燃えてるし。道理で暑い訳だ」

 
「お。よくここまで来れたな」

と、その時、聞き覚えのある声が聞こえ…………
「ふん、わざわざこんなとこまで来てやったんだ。お土産はしっかり持って帰らせてもらうぜ」
「ああ……ウズミウムダイヤって土産をな」
そしてそれに答える二人。
「こんな奥までやってくるとは、結構やるじゃん」
二人に心底感心するグラマル。
「ここがお前の隠れ家か?それなら随分と寒がりみてーだな」
「まさか。ただ一時的に利用してるだけさ」
と、クウジの冗談をグラマルは軽く受け流す。
「まぁ、そんな事はどうでもいい。ほれ、さっきの金だ。返すぜ」
そう言って、グラマルの前に金貨の入った袋を投げるクウジ。
「ふーん?そこに入ってる金額の方が、今お前達が受けてる依頼料より、よほどいいと思うけどな」
「確かに、今は金がいくらでも欲しい時だが、この金は受け取れないって事さ」
「ああ。折角、仮に豪邸を建てるにしても素直に喜べなくなっちまうからな」
「なる。でも、こっちだって、テルーラ師匠同様この仕事に誇りを持ってる。返せと言われて、返せるもんでもないしな……」
そう言って、懐に手を入れるグラマル。
「やるか……!?」
「あまり手加減はできそうにない………か」
そう言って構える二人。
そして…………
「じゃあ、この宝石をあんた達が買い取ってくれよ」
そう言ってそろばんを取り出すグラマルに、素でずっこける二人。
「って、それでいいのかよ!?」
クウジは思わず声を上げてしまう。
「だって、元々売る気だったし、そっちが買ってくれるなら、文句ないしな」
「……で、ちなみにおいくらで?」
「うーん……あんたら結構いい人だし、貸しにしといてあげようか?」
「金を出すのはカガリだから、結構だ」
「じゃあ、5万ドルは?」
そう言いながら、二人に向って、そろばんを見せるグラマル。
「おう。全然OKだ。しかしもっとふっかけてもいいんだぜ?何せ、金を出すのはカガリだからな」
それに対し、そう言いつつ、そろばんをわざわざ高く弾き直すクウジ。
「10万ドルか……OK」
「おっし、商談成立!」
こうして、逆値切り作戦による交渉は円満に成立するのであった。


「おし、んじゃ10万ドルな」
「どもども」
そう言って、クウジから10万ゴールドを受け取るグラマル。
「さて、それではウズミウムダイヤをもらいましょうか」
「何で、交渉成立した途端、丁寧語になるんだ?」
「ふ…企業秘密ですよ」
「あ、そ」とグラマルはそっけなく聞き流す。
「…………もうちょっとツッコんでくれてもいいような」
「…で、ウズミウムダイヤなんだけど、ここにはないよ」
「ああん!?てめ!だましたのか!?」
それを聞いて、にわかに殺気立つクウジだったが……
「違うって。ホレ、あそこにあるでしょが」
そう言って、グラマルが指差す先には、確かに布袋が落ちており、そして、そこから光の反射により、宝石の様なものが入っているのも確認できる。
だが、その袋がある場所が問題であった。
この部屋の中心部と布袋のある場所を四角に囲む地下水による川が隔てており、ここからではその場所にいけないのである。
「…確かに、さっきまで黄色と緑の光は一つに重なっていたのに、今は黄色だけ、あの場所に行ってますね」
地図型探知機を確認しながら、そう言うソロン。
「でしょ?ワタシウソツカナーイ」
「…俺は何気にその方が、性質が悪いような気がするんだがな。つーか、何でこんな事するんだよ!?」

「それは勿論、いざって時の為だな」
「くそー。あの場所まで、取りに行かないといけねーのかよ」
「うーん……この水を泳いで渡るっていうのはどうでしょう?」
「無理だと思うぞ。だって…ホレ」
そう言って、水の方に近寄ったかと思うと、先端が、水の中に入っている棒を持ち上げるグラマル。
するとその棒の先には網のようなものがついており、更にその網の中にはぎっしりと何かが詰まっているのが見える。
「ほい」
「あん?何だこれ……?」
そう言って、何気なくその中の一つを手に取るクウジだったが……
「熱っ!って、これは………卵か?しかも何か湯気が出てるし」
「いい具合に茹でられておいしいよ。食べる?」
「……食べる」
「オレも、お腹空いてたんですよ」
そしてその場で、卵の殻をむく音と食べる音が響く。
「ふぅー、食った食った」
「あー、やっと落ち着きましたよ」
「で、何で泳いで渡れねーんだ?」
「だって……ホレ」
そう言って、再びゆで卵を取り出すグラマル。
「……まだあったのか。食うけどさ」
「……エンドレスになりそうだから、やめてくれ」
「ま、ここはマグマが流れてる場所だからな。水も熱湯になってるって事で」
「なるほど。さすがに茹でクウジはおいしくなさそうだしな。それはやめとこうぜ」
「ああ、やっぱ茹でるのは卵に限るな」
「ち、ゆで卵に夢中で聞いてないか。ま、迂回して取りに行くしかないか……」
「ふぅ…食った食った。ごちそうさん。んじゃ、面倒だが仕方ねーな」
「ああ……そうだな」
「つー事で……何だと!?この野郎!」
「って、そっちかよ!?つーか、聞いてたんなら、その時反応しろよ!」
そんな二人の様子を見ていたグラマルであったが、かすかに聞こえてくる振動音に気づき、辺りを見回し始める。
「おい…辺りを見回したりして、どうしたんだよ?」
そしてそれに気づいたクウジが質問するが……
「…何かいや、モビルスーツが一機、近づいてくる!」
「あん?何か聞こえるか?」
「いや……全然?」
「それなら地面に耳を当ててみ」
訳が分からないながらも、言われた通りに地面に耳を当ててみる二人。
すると……二人の耳に、微かながらも何かの振動音が聞こえてくる。
「……何だ?この音は………」
「これは……何かの足音?」
「ああ……この機械の音はモビルスーツだな………」
そしてそれからも段々と足音が大きくなって行き………
「Shit!二人とも!そこの柱の影に隠れろ!」
切羽詰ったグラマルの様子に、素直に従う二人。
そしてその直後………音のしていた階段の方から、巨大な緑色の陰が姿を現す!
「あ、あれは……バスターガンダム!?」
「な、何であんなのがこんな場所に……!?」
「しっ!静かにしろ!」
一瞬、こちらの方を見るバスターガンダムだったが再び視線を元に戻し、移動し始める。
そしてそんな緑色のガンダムの向う先は…………
「げ!あいつウズミウムダイヤの方に行ってねーか!?」
「た、頼むから踏んで壊すような真似はするなよ……!」
それを見て、焦りの色を浮かべる二人だったが、それも杞憂に終わる。
なぜならば………
そのまま器用にその袋を左手に、持って帰って行ったからである。
「ぎゃー!あの馬鹿ガンダム、人の宝石を持って帰りやがったYO!」
「じゃなくてよりによって何て事を―――!」
「ホゥ、ガンダムは光物を好むって本当だったのか……」
「って、何わけのわかんないことをいってやがんだよ!てめぇのせいだろうが!」
「ほら!取り返しに行きますよ!」
「え!?俺も!?」
「当然だろ!お前のせいでこんな事になったんだからな!」
「あなたもあらゆる異世界で名前を轟かせた大盗賊なら、あのバスターガンダムから華麗にあの宝石を盗んでやって下さいよ!」
「いや……俺、人間並の大きさのヤツ専門だし……」
「知るかよ!こっちは既に10万払ってるんだからな!来い!」
「知ってますか?10万ドルって、二人分の命に相当するんですよ?」
「値上げしたのはそっちだろうがー!」
クウジとソロンに突っ込む形でグラマルは抗議する。
「さー!さっさとガンダムがいる一団から宝石を取り返すぞ!」
「おー!」
「やー!」
こうして、宝と敵の探索レーダーの光を頼りに、クウジが知っている謎の一味の追跡を始めた三人。
だが、果たしてこの急造トリオで、無事宝石を取り戻す事はできるのであろうか?


<2008/02/21掲載>

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