猫々蹴球

ねこねこしゅーきゅー、と読むと大吉です。デレステブログになりつつありますが、アニメ感想と投稿SS、サッカーもありますヽ( ´▽`)ノ

アカデミー・ライフ 第6話

『アカデミー・ライフ』

第6話 制服談議、そして……



「メルヴィ、おはよっ!!」
「あ、おはよう、クルルちゃん……あれ?」

よく晴れた朝、いつも通りの通学路。
後から肩をポンと叩かれたメルヴィが、振り返ると同時に驚いた声を上げる。
「ど、どうかな? 似合ってるかなあ、これ?」
ちょっと照れた顔で笑っているクルル。
その服装は昨日までとは違い、アカデミーの制服になっていた。
「わあ、制服届いたんだー? うん、すごく似合ってるよっ!」
「ほんと? よかったあ……あたし、こういうの着た事なかったから心配で……」
心底ほっとした顔で、クルルが言う。
「あ、メルヴィも最初は不安だったよ。今でもちょっとそうだけど……」
そう言ってやや苦笑するメルヴィ。
彼女も初めて着た時に、「ヘンじゃないかな……?」とユミールに聞いた事があるのだ。
そんな不安げな姪の言葉にユミールは優しく笑い、
「ふふ……だいじょうぶ、すごく似合ってるわよ、メルヴィ」
そう言ってくれた。
あの時の喜びを、今でもはっきりと思い出せるメルヴィだった。

「でもやっぱり制服着てると、アカデミーの生徒なんだなーって実感するよね」
並んで歩きながらクルルが嬉しそうに言う。
「うん、そうだねっ。お勉強、がんばらなきゃって気になるし」
「あ、あはは………そ、それにほら、なんと言ってもデザインも可愛いし」
少しどもりながら、なんとか話題を勉強から遠ざけようとするクルル。
このあたり、彼女はどうも優等生とは言えないようだ。
「うん、メルヴィもそう思う!」
そんなクルルの内心にまったく気づかず、そう応える優等生。
「中にはこの制服が着たくて入ってくる子もいるって、ミルカちゃんが言ってたよ」
「え~~、ほんとぉ? あ、でも気持ちはわかるかも……」
そう言って、クルルは自分の制服に目をやる。
清涼感のある白を基調に、ケープとスカート部分を学年色の青でコーディネイトされた制服。
けっこうオシャレに気を使う彼女から見ても、文句のつけようの無いデザインだった。
そして二人とも知らない事だが、この制服になってからアカデミーの入学者が急に増えたのは事実なのである。

「あ、ひょっとしてメルヴィも制服目当てだったりして……」
「ええ!? ち、違うよ、そんな理由じゃないよぉ」
クルルのからかうような一言に、慌てて首を振るメルヴィ。
「あ~慌ててる~~、あやしいな~~?」
「ほ、ほんとだよ……。メルヴィがアカデミーに入ったのは………」
「入ったのは?」
興味津々といった感じで、クルルが先を促す。
「お、お姉ちゃんみたいになりたくて……それに……」
そこまで言いかけて、慌てて口を閉ざす。
家族のみんなにしか教えていない、もう一つの理由……危なくそれを話しそうになったのだ。

「………トウヤお兄ちゃんのため?」
急に口ごもったメルヴィをじっと見ていたクルルだが、ふいにそう言った。
「え、ええっ!?」
あまりに突然の一言に、思わず大きな声を上げるメルヴィ。
「な、な、なんで知ってるの……? あっ!!」
自分の言葉に気づいた時にはもう遅かった……可笑しそうに笑いながらクルルが見ている。

前回の戦争後、メルヴィはクルルと手紙を通じて連絡をとっていた。
だからクルルは『ゼ・オード』との戦いについても、だいたいの事情は知っている。
だがトウヤとの関係については、恥ずかしさもあって詳しくは書いていないはずだった。

「あはは、だってあれだけ毎回『トウヤお兄ちゃん』の話題なんだもん、誰でもわかるよー」
「………う……」
何も言えずに、ただ真っ赤になっているメルヴィ。
自分ではトウヤの事は書いてないつもりだったが、どうやらバレバレだったようだ。
「さてとメルヴィ、もっと詳しい話を聞かせてくれるよねー?」
そう楽しそうに言うクルルの言葉に、

『もうちょっとだけ嘘がうまくなりたい………』

と、生まれて初めて真剣に思うメルヴィだった……。


-続く-

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