猫々蹴球

ねこねこしゅーきゅー、と読むと大吉です。デレステブログになりつつありますが、アニメ感想と投稿SS、サッカーもありますヽ( ´▽`)ノ

アカデミー・ライフ 第8話

『アカデミー・ライフ』

第8話 いつかの私に……

 
 
「はい、それじゃ今日の講義はここまで。 みんな、ちゃんと復習しておいてね?」
チャイムの音と同時に、ユミールがそう言うと
「はーい!!」
と大きな返事が返ってくる。
そして次の瞬間……。
「ユミール先生!!次はいつ来てくれるんですか~~!?」
「ねえねえ先生!!サインください!!」
「あ、俺が先だぞ!!」
ものすごい勢いでユミールの周りに集まる生徒達。
彼女が講義に来る時のいつもの光景だった。

「うわあ……すごいね、ユミールさんの人気って………」
と、あっけにとられたような顔のクルル。
彼女はユミールの授業を受けるのは、今日が初めてだった。
「ね、言ったでしょ? お姉ちゃんが来る時は、いつもこんな感じだよ」
そう言うと、嬉しそうに笑うメルヴィ。
彼女にとっても、尊敬する「お姉ちゃん」が人気者なのは嬉しい事なのだ。
「でも、みんなの気持ちわかるなあ……ユミールさんってすごく頭いいし……それに……」
「とっても美人でステキだし、でしょ?」
突然、背後から声をかけられ、クルルとメルヴィは慌てて振り返る。

「こんにちは、二人とも」
そこに立っていたのは、聖地の錬金学士エミィ・エアル・キャルタスだった。
「あ、こんにちは、エミィさん!!」
「こんにちは!! あれ?今日はユミールさんに抱きつきに行かないんですか?」
「……そうしたいけど、あれだけ生徒にかこまれていては……って、クルルちゃん!!」
「きゃあ!!ごめんなさーい!!」
そう言って叩くふりをするエミィと、笑いながら謝るクルル。
ついこの前会ったばかりとは思えないほど、彼女達は仲が良かった。
ミルカの時もそうだったが、クルルもメルヴィ同様に人を惹きつける何かがあるようだった。

「くすくす……それでどうしたんですか、今日は?」
二人のやりとりを楽しそうに見ながら、メルヴィがそう訊ねる。
「あ、忘れるところでしたわ。今日はこれから聖地にお客様がいらっしゃるんですのよ」
「お客様?」
メルヴィとクルルの声が重なる。
「はい、シャングリアから高名な学者の方々が」
「えっと……シャングリアってアガルティアの首都だよね?でも、なんでわざわざ?」
「あ、もしかして……ユミールお姉ちゃんのお話を聴きに?」
メルヴィのその言葉にエミィは大きく頷く。
「そのとおりですわ。偉大なお姉さまの研究発表の為に、この聖地に集まってくるんですのよ!!」
まるで自分の事のように嬉しそうなエミィ。
「わあ!!やっぱりそうなんだあ!!お姉ちゃん、最近研究が進んでるって嬉しそうだったから」
「すごーい!! さすがユミールさん!!」
感嘆の声をあげる二人。
それを見てエミィも満足そうに「うんうん」と頷いている。

「そんな訳でお姉さまをお呼びに来たんですわ。本当はこんな日くらい、授業を休んでもいいんですのに……」
少しだけあきれたように言いながらも、どこか嬉しそうなエミィ。
彼女もユミールがそんな事を出来る人じゃない事をよくわかっているのだ。
「すごいなあ……お姉ちゃんって……。いつかはメルヴィもあんな風になれるのかな……あっ」
思わず口に出してしまった言葉に、メルヴィの顔が赤くなる。
「えへへ……や、やっぱり無理かな……メルヴィなんかじゃ、とても……」

「そんな事無いですわ」
メルヴィの声を遮るように、エミィが声をかける。
「あなたなら、いずれきっとお姉さまのようになれますわよ」
いつもよりもマジメなエミィの声……そしてその視線は後輩の目を真っ直ぐにみつめている。
「目標を持ってる人は必ず成長しますわ、それはわたくしで証明済みですのよ」
「エミィさん………」
メルヴィはじっと聴いていた。
自分と同じ人を目標にして、大きく成長してきた先輩の言葉を。
「大丈夫。あなたもクルルちゃんもすごい才能があるんですもの。………でも……」
「でも………?」
少し不安そうな顔をするメルヴィ。
「お姉さまに追いつくには、まずはわたくしを追い抜かないといけないですわよ。……ね?」
そう言ってエミィはニコッと笑いかける。
「あ………はい!!」
そんなエミィの言葉に、メルヴィは笑顔で大きく頷く。

『焦らなくてもいい。一歩一歩進んでいけばいい』

目の前の先輩が言いたかった事、伝えたかった事、メルヴィにはそれがはっきりとわかった。
「ありがとう、エミィさん!!メルヴィがんばるから!!」
「あ、あたしもがんばる!!」
誓うようにそう言った二人の少女の姿に、嬉しそうに微笑むエミィ。
まるで昔の自分を見ているような……そんな懐かしい思いに包まれながら……。


『ねえねえ、お姉さま……わたくしもいつかお姉さまみたいになれますか?』
『ええ、もちろんじゃない。きっと私なんかよりもずっと立派な錬金学士になれるわ』
『ほんとですか!? よ~し、お姉さまの為にも、わたくしがんばりますっ!!』
『ふふ……期待してるわね、エミィ……』


-続く-

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