猫々蹴球

ねこねこしゅーきゅー、と読むと大吉です。デレステブログになりつつありますが、アニメ感想と投稿SS、サッカーもありますヽ( ´▽`)ノ

アカデミー・ライフ 第10話

『アカデミー・ライフ』

第10話 ENGEL WINGへ行こう!! 後編



「ただいまーー」
「あら、お帰りなさいメルヴィ、早かったのね?」
玄関で出迎えてくれたユミールが、そう言って意外そうな顔をする。
「うん、思ったより早くお買い物すんじゃって」
言いながら、靴紐をほどいているメルヴィ。
時刻は午後3時前、たしかに予定よりも少し早い帰宅だった。
「あ、それが今日買った服? お姉ちゃんにも見せてくれる?」
「うん、もちろんいいよっ」
そう言いながらガサガサと服を取り出す。
「どれどれ……あら、ステキじゃない、綺麗な色でメルヴィにぴったりよ」
「えへへ……ありがとう、お姉ちゃん」
少し照れながらも嬉しそうに笑うメルヴィ。
それなりに悩んで決めた服だけに、そう言われると嬉しくなってくる。
「そうそう、ちょうどお茶にしようと思ってたんだけど、メルヴィもどう?」
「ほんと? もちろん!!」
元気よく返事をすると、メルヴィはユミールと一緒に居間へと向かった。

「あ、そういえば向こうでエミィとフェイン君に会わなかった?」
湯気の立つティーカップを片手に、ふとユミールがそう訊ねてくる。
「ふぇ!? な、なんで?」
思わずそんな声をあげてしまうメルヴィ。
ついさっき「見なかった事にしよう」と決めた光景が、再び思い出されてくる。
「フェイン君が首都から、学者の方々の護衛で来てるのは知ってるわよね?」
「う、うん」
頷くメルヴィにユミールは話を続ける。
「それで昨日、エミィとちょっとね……」

『まったく……あなたときたら、相変わらず服のセンスが悪いんですのね……』
『なに!?ひさびさに会ったと思ったら、相変わらず口が悪いな、二世!!』
『あーーっ!!また言いましたわね!!』
『ふん、二世を二世と言って何が悪い。だいたいこの俺のセンスがお前にはわからんのか!?』
『………(ふっ)』
『き、きさま!!今、鼻で笑ったな!! むむむ……ならばお前のセンスとやらを見せてもらおうではないか!!』
『ええ、いいですわよ。あなたに正しい着こなしというのを教えて差し上げますわ』
『ふん!!すぐに前言撤回させてやるからな!!』

「……という訳なのよ」
ふう、とユミールがため息をつく。
「まったく……ひさしぶりにあったのに、2人とも素直じゃないんだから……」
呆れたような笑いを浮かべるユミール。
『そっかあ……それで買い物に来てたんだあ……』
その正面のイスに座ったメルヴィは一人納得している。
「でもそれも、あの2人らしくていいのかもね……そう思わない、メルヴィ?」
「うん、えっと……なんて言ったっけ……あ、『ケンカするほど仲がいい』……だっけ?」
「あら、どこでそんな事覚えたの?」
「えへへ……前にちょっと……」
少し驚いた顔をしているユミールに、笑いながらそう答えるメルヴィ。
実は以前、クロビスがフェイン達をひやかした際に使った言葉である。
もっとも、そう言った本人はすぐに手痛い反撃を数発くらう事になったのだが。
「ふうん………あ、でもね、メルヴィ、その言葉は必ずしも正しくはないのよ?」
「え?」
「だって……あなたとトウヤはケンカなんてしないでしょ?」
ユミールのその一言に、メルヴィの顔がたちまち真っ赤になる。
「お、お姉ちゃん………っ、わわっ……」
手に持っていたカップを落としそうになり、慌てて持ちなおす。
「うふふ……」
そんな姪の様子を可笑しそうに眺めながら、そっと2人分のおかわりをそそぐユミール。
部屋に新たに満ちていく香気と、穏やかな午後の時間。
ここ数日の研究発表の疲れも忘れ、彼女は今幸せだった。


一方、「ENGEL WING」では……。

「なんだ、このちゃらちゃらした服は!? こんなもの、真の漢が着る服ではないッ!!」
「なんですって!? あなたが妙な服ばっかり選ぶから、こうしてわたくしが……」
メルヴィ達が帰ってから数時間後。
いまだフェインとエミィの戦い(?)は続いていた。
「まったくあなたは……!!」
「お前のほうこそ……!!」
「あ、あの、お客様……申し訳ありませんが、そろそろ閉店の時間なんですが……」
そう恐る恐る声をかけてくる「ENGEL WING」の店長……どことなく顔色が悪い。
「え? あら、もうこんな時間……。しかたありませんわ、この続きはまた明日ですわね!!」
「おう!!望むところだとも!!明日こそ俺のセンスを理解させてやる!!」
「それはこっちのセリフですわ!!」
ふふん、と笑いあうと、連れ立って外に出て行く2人。
「あ、ありがとう、ございました……」
それを見送りながら、店長はゆっくりと周囲を見渡す。
「……あ、明日も来るつもりなのかい、あの2人は……」
辺りに散らばった色とりどりの服を見ながら、一人ため息をつく店長だった……。


-続く-

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